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映画「プロメア」は社会の差別問題をスタイリッシュかつ分かりやすく描いているうえにめちゃくちゃ熱くて面白い!

映画

※こちらは映画「プロメア」のネタバレを含んだ感想記事ですのでご注意ください!!

友人からとにかく観て!!と熱くプッシュされたので、「プロメア」を近所の映画館で上映期間が終わる直前すべりこみセーフで観てきました。

めちゃくちゃ面白かったのと、いろいろと語りたいことが出てくる内容だったので、今回はネタバレを含みながら感想を書いていきたいと思います!!

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非常にわかりやすい内容でありながら、とてつもない深みがある

私は友人に勧められるまま、なんの前情報も得ずに「プロメア」を観ました。
ジャンルが何なのかも分かっておらず、おそらく何かしらのバトルものなんだろうなぁとふわふわした予想を抱いていた程度です。
つまり、あらすじすら理解せずに観に行ったわけです。

しかし、「プロメア」は前情報を何ひとつ得ないまま観てもすんなりと世界観とストーリーに入り込める作品でした。

構成としては非常にわかりやすいんですよね。
ものすごく単純な見方で「プロメア」のストーリーを要約すると、「今までヒーローだと思っていた人が実は悪役で、これまで悪い奴だと思っていた人と協力して世界を救った」という感じでしょう。

でも、これはものすごく雑にまとめただけであり、実際にはかなり深く複雑なテーマを孕んでいます。

突然変異で発火したり周りを燃やしてしまったりする能力を得てしまった、バーニッシュと呼ばれる人間がいる世界。
主人公のガロは、バーニッシュが起こした火災を鎮火し、巻き込まれた人々を救出するレスキュー隊に所属しています。
もう1人の主人公であるリオはバーニッシュであり、マッドバーニッシュのボスということで軍隊的な組織であるフリーズフォースに追われています。
そして、司政官であるクレイは表向きは市民たちを守るヒーローですが、裏では選ばれた1万人の人類を救うためという名目でバーニッシュの命をエネルギー源に変える人体実験をしています。

クレイは間違いなく悪役ではありますが、だからといって絶対悪かというとそうとも言い切れません。
なぜなら、彼は一応は人類を守ろうという意思を持っているからです。

地球を破壊しようとしているわけではなく、世界を支配しようとしているわけでもなく、このままでは地球が滅亡してしまい他に手立てがないから仕方なく1万人を選民して遠い星へ避難しようとしているわけです。
もしも実際に現実世界で似たような状況になれば、同じような行動をしようとする人は絶対にいるでしょう。
そして、その決断は必ずしも絶対に間違っているとは言い難いのです。

また、バーニッシュは自らの意志でそうなったわけではなく、周囲の人々に害を及ぼしたいわけではありません。
それでも、特殊な性質は異端者として切り捨てられ、非常に残酷な差別を受けています。
これは実際に現実社会でも肌の色や出身国・宗教などで差別問題が多いので、非常にリアルな設定といえるでしょう。

ただ、バーニッシュの場合、本人にそのつもりがないとはいえ火災等で周囲に影響を与えているのも事実です。
どうにもならない体質のせいとはいえ、完全な被害者とも言い難い微妙な立場です。

誰が正しくて、誰が間違っていて、何が善であり、何が悪なのか。
明確な答えを見せるのではなく、観た人自身にそれを考えさせるように導いているのが「プロメア」という作品なのだ、と私は感じました。

ガロはただの脳筋ではなく、実際には非常に聡明な視点をもっている

ガロは登場人物たちから「バカ」と何度も言われています。
一見すると、直情型の脳筋のように感じられるキャラクターですが、実は彼はとてもフラットな視点の持ち主です。

ガロはバーニッシュに対しても最初から「炎で火災を起こさなければいいだけ」という見方をしています。
バーニッシュも食事をするのかという失言をリオに咎められたときにも、素直に謝罪し「おまえの言うとおりだ」と認めています。

クレイがバーニッシュたちに人体実験をしているという話をリオから聞いたときも、その場では「そんなはずない」と否定しつつも、直接クレイの元まで事実確認をしに行っています。
このときガロは、勲章とは授けるに足る資格をもつ者が受け取るに足る者に与えるものだというようなことを語り、自分にもクレイにもその資格は無いと言うのです。

ガロは、他者の間違いをまっすぐ指摘しますが、同時に己の間違いもきちんと認めます。

クレイとリオの狭間にいるガロは、とても聡明で平等な人間だと思います。
どんな場面であれ、濁りのない澄んだ目をしている、とても良いヒーローだなと私は感じました。

リオデガロンとガロデリオン

ガロとリオが協力して乗ることになった機体を、最初にガロがリオデガロンと名付けます。
2人で一緒に乗るものだから、2人の名前を含めたのでしょう。

ここでリオの名前を最初にしたことをガロは自らの奥ゆかしさなどと言っていましたが、そんなものは建前というか照れ隠しのようなものなんだろうなと私は思っています。

リオのバーニッシュとしての力を動力源にしている、リオがいなければ動かない、ということを重視してリオの名前を最初に掲げたのではないでしょうか。

それに対し、プロメアの燃焼欲求を満たそうとするリオは「もう一度ガロデリオンに乗ろう」とガロに言います。
自分たちの炎を鎮めるため、熱くない炎で地球を燃やし尽くすためにはガロの存在が必要不可欠だと悟ったリオからの敬意の表れではないかと思うのです。

ガロとリオが互いを分かり合うための明確な大きな転機というものは、本作には無かったように感じます。
少しずつ、少しずつ、互いへの理解と信頼を積み上げた結果がリオデガロンでありガロデリオンなのでしょう。

突っ込みどころはいろいろとあるけど、とにかく熱くて気持ちいい!

正直なところ、細かいところを気にしてしまうと、いろいろ突っ込みたくなります。
でも、それは野暮だなぁというか、どうでもいいというか、細かいことは気にせず衝動のまま熱い思いで観るのが「プロメア」の醍醐味だと思います。

劇場内はかなり空調がきいていて寒いはずなのに、そして私は冷え性なのに、体がずっと熱かったし汗も出ました。
そのくらい熱と勢いがあって、面白くて、気持ちいい作品でした!

最近あった嫌なことが全部吹き飛んでしまうくらい、とにかく気持ちいい気分になりました!

実は、私は今石洋之氏&中島かずき氏の作品は初見でした。
「プロメア」というこんなに面白い作品を生み出してくれたコンビの他の作品も気になってきたので、グレンラガンやキルラキルも観てみたいなぁと思っています^^