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「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」はドラマ版が好きなら絶対に観るべき!ネタバレ感想!!

映画

※この記事は「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」の内容のネタバレを含みますのでご注意ください

男性同士の恋愛を笑いあり涙ありで描いたラブコメディドラマ「おっさんずラブ」の映画が、とうとう公開されました!
連ドラを噛みしめながら観ていた私は早速観に行きました。

正直なところ、映画として出来がいいかというとイマイチです。
突っ込みどころ・気になる部分は多々あります。
それでも、ドラマで春田と牧の恋路を応援していた人なら、絶対に観ておくべき作品です!

というわけで、今回は「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」の感想を、ネタバレを交えながら語っていきたいと思います^^

【2019/9/8追記】
2回目を観に行ったので、2回目の感想も書きました!

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連ドラ版「おっさんずラブ」を観ていないと理解できないであろう内容だった

まず、今作「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は連ドラ版の「おっさんずラブ」を観ていた人向けに作られている映画です。

例えば、私も以前感想を書いている「コンフィデンスマンJP」は、ドラマを観ていなくても十分に楽しめる内容の映画でした。

しかし、「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は連ドラ版の「おっさんずラブ」の1年後を描いており、元のドラマを観ていないと冒頭から最後まで置いてけぼりになってしまうであろうストーリーです。

ここで私が「連ドラ版」と主張しているのは何故かというと、「おっさんずラブ」は連ドラ化する前に単発ドラマがあったんですが、単ドラと連ドラでは登場人物や設定がいろいろと異なります。

「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は連ドラ版の続編という立ち位置なので、事前にそちらを観ておくことをオススメします。

連ドラといっても全7話と短めですし、2019年8月現在、GYAO!TVerなどの配信サイトで期間限定ではありますが無料視聴も可能です。

無料視聴は広告が挟まれますので、それが気になるという方はAmazonプライム等での視聴がオススメです!

連ドラ版では、牧から春田への気持ちの大きさはよく見えていたけれど、春田から牧への想いがどの程度なのかが分かりづらかったと思います。
ちゃんと惚れているのは分かるけど、それがどの程度の深さ・大きさなのかは未知数という状態で、ドラマの方は終わっています。

それから1年間、春田は海外赴任していたので2人は滅多に会えなかったと思うのですが、劇場版では冒頭から春田の「牧だいすき!!」という感情が爆発しています。

いや、春田、そんなにも、めっっちゃくちゃ牧のこと大好きなんだね…!?
と、観ているこちらとしては驚きながらもニヤニヤしっぱなしでした。

永遠の愛の証だよと唆されてちょっと怪しい店のおばちゃんからダイヤのリングを買ってしまったり、わざわざ日本から会いに来てくれた牧に嬉しそうに抱きついたり、いやほんと…おま…そんなに……!?と私の脳内がハッピーな混乱状態になっていました。ありがとうございます(合掌)

「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」では大小さまざまな事件・出来事がありますが、最初から最後まで春田が牧を想っている気持ちの大きさがひしひしと伝わってきます。

限定的な記憶喪失になった部長に迫られたときにも「自分にはお付き合いしている人がいる」ってちゃんと断りますし、母親が牧を友達と認識したままだと気づいて恋人だと訂正しようとするし(牧に止められてしまいますが)、牧の父親の呼び出しにも真摯に対応しているんです。

ドラマでは押しに弱くて流されるままというポンコツなお人好しだった春田も、きちんと成長しています。
しかし、成長している部分もありつつ、また違った部分がポンコツ化して空回っているのがいかにも彼らしいというかなんというか…^^

劇場版の春田は、ポジション的には「ちょっと面倒くさい構ってちゃん状態の彼女」みたいな感じでしたね!
あの「仕事と私どっちが大事なの!?」って言いだしそうなテンプレな感じの…(笑)

視聴者側としては、それだけ春田が牧に夢中なんだと伝わってくるんですけど、一社会人としてはいっぱいいっぱい状態の牧がイラッとしてしまう気持ちも分かります。

劇場版の牧は格好つけたいお年頃のように感じた

一方、牧の方は春田への気持ちが冷め気味なのか…?と少しハラハラしちゃいました。
いや、結局はただの杞憂なんですけども!(よかった!!)

牧はきっと、ステップアップしたい時期だったんだと思います。
憧れの大きな仕事にも関われて、人間として男として成長できる大きなチャンスだったんでしょう。

ただ、いくらエリートとはいえキャパオーバー気味だったわけです。
いっぱいいっぱいだったからこそ、本当は春田の応援や支えが欲しかったんじゃないかと思いますが、春田は前述の通り「ちょっと面倒くさい構ってちゃん状態」だし、自分から弱みを見せたくないしで、距離をとることを選んでしまったんでしょうね。

過労で倒れたことを春田に言わなかったのも、余計な心配をかけたくない・格好悪いところを見せたくないという気持ちがあったと思うし、倒れるまで仕事に根詰めていたことに対してあーだこーだ言われたくないという気持ちもあったと思います。

だからといって、牧が春田を嫌いになったとか愛情が冷めたとかそういうことではないというのは、いろいろな場面から伝わってきます。

特に顕著なのは、やはり部長と対峙しているときでしょうか(笑)
春田を取られまいとガチギレしている牧の姿、ドラマでもすごかったですけど映画では更にパワーアップしていました!
サウナでのゴチャゴチャワチャワチャしてるシーン、本当に笑えるのでエンドレスで観たいです!!

春田と牧はそれぞれ別方向に焦りと見落としがあってすれ違っていた

春田は「牧と家族になること」に対し焦っているのに対し、牧は「キャリアアップして一人前の男になること」に対して焦っていました。

単身で海外にいた春田はきっと、1人で過ごす家の中で牧との生活に思いを馳せて家族・家庭というものを深く考えるようになったんでしょう。
帰国後の牧との同棲生活の再開を楽しみにしていたでしょうし、だからこそ牧が家を出てしまったことで不安も増し、牧の仕事への熱意などを上手く汲み取れなくなってしまった。

一方、牧はおそらく春田が海外赴任して新規プロジェクトに関わる大きな仕事をしていることに対し、憧れと焦りをおぼえていたんじゃないかと思います。
自分も春田に負けないくらい大きな仕事で功績を残し、立派な頼れる男になりたいという気持ちがあったのではないかと感じました。

地域住民の気持ちを推し量れないリゾート開発プロジェクトそのものが牧の「夢」なのではなくて、大きな仕事でキャリアアップして立派な男になりたいという感じなのではないかと。

仕事でいっぱいいっぱいだった牧は、春田がどれほど深く2人の未来を考えているのかを察することができなかったんだと思います。
本当は春田のいう「結婚」を本気のものとして捉えていたわけではなく、きっといつかは春田から終わらせる恋なんだくらいに牧は考えていたんじゃないでしょうか。

でも、春田は本当に先のことまで考えて、男同士では子供ができないし色々と問題もあるけど、それでも死ぬまで牧と一緒に生きていきたいと考えていました。
そう泣きながら語る春田の姿を見て、ようやく牧は春田の「結婚」がどれほど本気であるのかを知ったのだと思います。

あの廃工場(?)の炎の中でのシーンは、周囲が燃えてるのにそんな長々と語り合えないだろうが!というツッコミを入れたくはなるものの、ひとつ「上手いなぁ」という表現がありました。
(いや、キャスト陣の演技は全編通して皆さん素晴らしかったんですけど、演技ではなく構成というか構図というかそういった部分で)

今回の劇場版では、基本的に春田から牧へのスキンシップが多いです。
「わんだほう」からの帰り道で牧がちょっかいをかけている(というかきんぴらごぼうで遊んでいる)場面はありますが、恋愛的な触れ合いは手を繋いだり抱き着いたりするのはずっと春田からなんですね。

でも、死んでも牧と一緒にいたいという気持ちを春田が泣きじゃくりながら吐露したとき、牧の方から春田を抱き寄せて抱きしめるんです。
ここで牧からの接触というのが、非常にグッ…ときました。
しかも、手はつないでいた状態なのに、それでは足りないと言わんばかりに抱きしめあうわけですよ。いい、すごくいい!

ようやく同じ気持ちを重ねられた春田と牧の姿に胸が熱くなり、涙が止まりませんでした…!

五角関係ではないし日本を揺るがすほどの大事件でもない

映画のアオリ文句というものは往々にして大仰になりがちで、「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」もその通りです。

まず、五角関係として添えられている新キャラ2人ですが、当て馬にもならない程度なので多角関係に参戦するほどのポジションではありません。
とはいえ、狸穴もジャスティスもとても良いキャラクターですし、それぞれ「仕事」「家族」を象徴する役割があります。

そして、予告等でもさんざん出ていた爆破は蛇足だと思うし、ドラッグ取引の温床になりかねなかったと言われている件についても中途半端だったなぁ…と。

せっかくの劇場版だし、映画となればニッチな層だけではなく老若男女を呼び込める作品にしたかったというのは理解できるんですが、なんといっても詰め込みすぎなんですよね。
2時間という尺の中に収めるべきではない要素を、無理やりにねじ込んでいる感じ。

面白かったのは確かだし、泣けるところもあった。
でも、雑に感じられる作りだったのも本当。
そう感じました。

もうちょっとアクション要素を削って、日常の場面を盛り込んだほうが「おっさんずラブ」らしい作品になった気がします。

あと、諸々が唐突だったり突っ込みどころ満載なのは目をつむるとしても、部長の記憶喪失あたりはもう少し丁寧に処理してほしかったですね。

というのも、蝶子と離婚していることを忘れているのなら、春田に惚れたときに葛藤するはずなんですよ。あの部長なら。
春田のことは忘れているけど蝶子との離婚は覚えていて、なんで離婚したのかモヤモヤしつつも春田に惹かれていくとか、そういう流れのほうが矛盾は少なかったのでは…と悶々。

あと、あと、なんで牧は春田が捕らわれている場所を知っていたの…!?という疑問点は、いかにご都合主義展開とはいえめちゃくちゃ気になってしまったので、それももう少し…こう…がむしゃらに走ってる牧に営業部の誰かが電話してきて春田の危機と居場所予測を伝えようとするとか、なんか、こう…
もうちょっとどうにかしてほしかったですね!!

あと、予算が少なかったんだろうけれども、素人目に見ても映像処理が雑な部分が多々ありました。
特に花火!良いシーンなのに合成っぽさがゴリゴリでちょっと萎えたのが残念です…;

映画としての出来はイマイチでもオススメする理由

前項で述べた通り、中途半端にいろいろと詰め込みすぎて雑だったり唐突だったりするので、「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」は1本の映画作品としてはイマイチです。

それでも私は、「おっさんずラブ」の春田と牧が好きで見守ってきたファンの人は一見の価値ありだと思います。

それは、終盤で2人が心を通わせる場面、ここだけでも絶対に観るべきだと思うからです。

蛇足も多いし、逆に説明不足も多い今作ですが、終盤で炎に囲まれている春田と牧が言葉を交わして抱きしめあう場面、ここは本当に素晴らしいです。

ドラマの最終回で春田と牧は心を通じ合わせましたが、劇場版ではピタリと重ねることができたんだなと、そう感じられました。
もう一段階、先に進むことができた2人の姿を、彼らを見守ってきたファンであれば観ておくべきだと思います。

牧は結局、シンガポールへ行ってしまいます。
でも、その指には春田とおそろいの指輪が嵌まっています。
(あれって春田が買っていた指輪ではなかったですよね…?もっとシンプルなものに見えたんですが)

これ、作中では詳しく描かれていませんが、つまりお互いにすれ違って見落としていた部分を拾い合ったという証なのだと私は考えました。

ずっと一緒にいたいけれど、牧が夢を叶えたいと願っているのならと背中を押して見送ることにした春田。
春田の気持ちが分かったからこそペアリングという証を身に着けることにした牧。

春田だって1年で海外赴任から戻ってきたので、牧もきっと長期間ずっと海外にいるわけではないのでしょう。
ちゃんと帰ってくるという約束、帰ってくるんだと信じて待つという約束、それがあの指輪なのだと思います。

「わんだほう」からの帰り道では互いに不安を抱いていた2人は振り返りながらバイバイをしましたが、エンドロール後のラストではしっかりとお別れした後は振り返らずに背中を向けたまま歩いていきます。
これは、お互いに「もう大丈夫」というしっかりとした自信があるからじゃないでしょうか。
春田も少し寂しそうではありますが、暗い面持ちではないので、これは映画としてはハッピーエンドであり、春田と牧の関係もちゃんと続いていくという暗示なのだと私は捉えました。

いろいろと気になるマイナス点はありますが、終盤の2人のやり取りにはそれを補って余りあるものがあると思いますので、春田と牧の恋路を応援している人にはぜひ劇場版も観てほしいです!!