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「引っ越し大名!」は老若男女問わず誰でも楽しめる安定した良作!※ネタバレ感想

映画

※この記事は映画「引っ越し大名!」のネタバレを含みますのでご注意ください

ずっと気になっていた「引っ越し大名!」が公開されましたので、さっそく観に行きました。

きっとコミカルで面白い作品なんだろうという予想は的中し、気負わず楽しめました!
その一方で、ぐっと込み上げるものがあり、思わず涙してしまった場面もありました。

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子どもから大人まで楽しめる分かりやすいストーリーながら深みもある

「引っ越し大名!」の原作は、この映画の脚本も手掛けた土橋章宏氏の「引っ越し大名三千里」です。
私は原作は未読でしたが、問題なく楽しめました。

「引っ越し大名!」はその名の通り、国替え…つまり国(藩)の引っ越しを主題とした作品です。
現在のように引っ越し業者という存在も、トラックやら飛行機やらという運搬手段・移動手段が無かった大昔の引っ越しというものがいかに大変なものであったかが、分かりやすく描かれています。

そう、とても分かりやすいんです!
歴史モノとなると、歴史に詳しくないから…と及び腰になってしまう人もいると思います。
でも、「引っ越し大名!」は歴史の知識が浅くても難なく楽しめました。
たぶん、小学生くらいのお子さんでも普通に楽しく観られます^^

そうかと思えば、大人でも惹きつけられる面白さや深みもあります。
いつの時代も、急な転勤やリストラ・借金は大変なものなんだなぁとしみじみ思わせます。
また、国替えがどんな風に行われていたのかが、要所要所で分かりやすく描かれていて、歴史に詳しくなくても興味深く観ることができました。

下ネタや同性愛ネタなどもちらほらありますが、どれもライトな表現です。
主題の引っ越しに、仕事・出世・恋愛・友情・バトル・コメディなど様々な要素をバラエティ豊かに絡めています。
老若男女を問わずに、1人でも友達同士でも恋人同士でもファミリーでも楽しめると思いました。

良い人・悪い人が単純明快に分かれている

「引っ越し大名!」は、基本的に明るくコミカルな雰囲気で進んでいきますし、好感のもてる登場人物が殆どです。
一部、見るからに悪役といった人物がいますが、実にわかりやすく悪役なので逆に気持ちがいいです。

この良い人・悪い人がハッキリ分かれているという点も、この作品の空気が明るく保たれている理由のひとつだと思います。

悪役サイドにいるけれど本当は心根が優しくて大きなものを背負っていて…という人間がいると、物語に一気に切なさと重みが出てきます。

しかし、「引っ越し大名!」にはそれがない。
基本みんな良い人だけど、悪い奴は単に悪い奴。
その単純明快さが、作品の流れを気持ちよくしています。

また、星野源さん演じる主人公・片桐春之介は、非常に気弱で心優しい青年です。
しかしながら、弱きものの悲しみや苦しみに寄り添い、悪しきものには容赦しないまっすぐな心根をもっています。

春之介以外にも、高橋一生さん演じる鷹村源右衛門・高畑充希さん演じる於蘭もまた、明るく優しくまっすぐな人間です。

主要人物たちの良いものは良い、悪いものは悪い、という共感しやすい感情の流れもまた、この作品を万人受けするものへと仕上げているように感じました。

身分や場所を超えた絆に心打たれて涙がこぼれた

私は非常に涙もろいのですが、観る前は「引っ越し大名!」で泣くことはないだろうなぁ…となんとなく思っていました。
人情モノの側面もありそうだと予想はしていたので、じーんとする場面はあるかもしれないけど、泣くほどじゃないだろうと考えていたのです。

以前、「翔んで埼玉」を観たときも終盤では胸が熱くなる場面もありましたが、泣くことはありませんでした。
そんな感じだろうと思っていたわけです。

そして、「引っ越し大名!」でも終盤…というか本当に最後の最後に差し掛かるまでそう思っていたし、胸が打たれる場面はたくさんありましたが涙は出ませんでした。
(春之介が御役御免を告げつつ「いつか必ず迎えに行くから百姓になってほしい」と真摯にお願いする場面はちょっとウルッとしました)

しかし、油断していたらラストシーンでやられました!

国替えを繰り返し、松平はとうとう7万石から15万石へ戻ります。
かつてリストラされた武士たちのなかで一部は百姓のまま生きることを選びましたが、他の生存者は武士となって新たな城を訪れるんですね。

ここで、及川光博さん演じる藩主・松平直矩が、そのうちの1人の手に優しく触れるんです。
田畑を耕し続けて荒れた手を、慈しみを込めた目で見つめるんですよ。
よく耐えてくれた、これはともに戦ってくれた証だ、とあたたかい労いの言葉をかけて。
ここで、もう、涙腺が緩みました。

そして、百姓の道を選んだ者たちの刀と名札、耐えつづけた15年の間に亡くなった者たちの名前を刻んだ石碑。
そんなものを見せられたら泣くしかないでしょうに!

極めつけは、「おかえりなさいませ!」という言葉の温かさ。
ボロ泣きしました。

必ず迎えに行く、という春之介の約束は亡くなった人も含めて守られたんだなぁと思うと感慨深いです。
もちろん、亡くなってしまった人は生前にその約束が果たされなかったことを悲しんだと思いますが、それでも、だからといって忘れることなく偲んだ人々の心は魂に届いていたのではないかと、そうであってほしいと願いました。

御手杵のかっこよさが存分に見ることができて満足!

天下三名槍のひとつ、御手杵。
松平家の家宝として、「引っ越し大名!」でも登場します。

最初は宝物として大事に保管・運搬されている様子があり、そして敵に囲まれたときには武器としての威力を見せつけてきて、大活躍している姿がかっこいいです!

御手杵を使って見事な立ち回りをしていた鷹村…もとい高橋一生さん、とても素敵でした!

一般的な刀の殺陣も格好いいですが、大きな槍が豪快に振るわれていると、非常に迫力があります!

戦闘描写もそこまで血塗れた生々しいものではないので、そういったシーンが苦手な人でも大丈夫かと。

「引っ越し大名!」は全体的にいろいろな意味で過激な描写はないし、安定した良作なので、ちょっと気晴らしに映画を観てみようという方にオススメです!